眠気で午後の仕事の能率がなかなか上がらない。
午後もスッキリした頭で仕事ができたら頑張って残業する必要もないのに…
こんな悩みを抱えている社会人の方は多いのではないでしょうか。
しっかり睡眠時間をとったつもりでも午後の眠気はどうしてもやってきてしまいますよね。
でも午後の眠気はよく睡眠を取っていてもヒトのメカニズム上、避けられないものなのです。
ここでは、そんな避けられない午後の眠気があっても、昼寝を活用することで午後の仕事の効率を大きく上げる方法をお伝えしていきます。
午後の眠気は仕方がないもの
まず、お昼過ぎにやってくる眠気は睡眠時間に多い少ないにかかわらずやってくるものだと理解しましょう。
また「満腹で眠くならないためにお昼ご飯は食べない!」という人がたまにいますが、これは勘違いです。
確かにお昼ご飯を取ることで血糖値が上がり、眠気が起きやすくなる可能性はあります。
しかし、食事をしたかしていないかに関わらず、人間の体内時計のリズムから起床後8時間経ったころに頭に疲れが溜まり始めてしまい、これが原因で眠気が引き起こされると考えられています。
つまり、お昼ご飯を抜いたからといって必ずしも眠気が起きないとは限らないのです。
逆に食事を取らないことで頭が働くための栄養源を摂取できないので、午後のパフォーマンスが大きく下がってしまいかねません。
これではせっかく頑張って仕事しているのに、ミスが起こりやすくなり大きな失敗に繋がってしまう可能性すらあります。
そこで、無理に起きていようとはせず、仮眠を取り入れて眠気と上手に付き合っていくことが午後のパフォーマンスをアップさせる重要なカギとなるのです。
昼寝をするときの注意点
昼寝をすれば眠気も軽減され午後のパフォーマンスが上がりますが、間違ったやり方で昼寝をしてしまうと、逆に体に疲れがたまってしまったり、夜の睡眠に悪影響がでてしまう場合があります。
ここでは特に気を付けたいポイントを4つご紹介します。
昼寝の目安は20分程度
昼寝をする時に一番気をつけたいのは時間です。
体を休めるためといって、時間を気にせず昼寝してしまうと、夜の睡眠の質に悪い影響を与えかねません。
働いている人は昼休憩も時間も限られているので、そんなに何時間も寝ることはそもそもできないとは思いますが、目安は20分以内としましょう。
20分以上睡眠を取ってしまうと、体が深い睡眠の状態(ノンレム睡眠)に入ってしまうため目覚めが悪くなります。
これは睡眠慣性と呼ばれる状態で、深い眠りから覚醒した場合、体はすぐに寝ている感覚から切り替えることができずに、眠気をひきずったり、だるさを感じたり、頭がぼんやりとしてしまうのです(他人に無理やる起こされたときに頭がうまく働かないのはこの状態が理由です)
午後2時までには昼寝を終える
次に、昼寝をする時間帯についても注意してほしい点があります。
それは午後2時までには昼寝を終えていることです。
眠気はアデノシンと呼ばれる化学物質が増えることで引き起こされると考えられています。
脳内にアデノシンが増加し始めると、「眠りたい」という欲求が高まり、眠気がやってくるのです。
そして、これは一般的に睡眠圧と呼ばれます。短い時間でも睡眠を取ることで脳内のアデノシンは減少し、睡眠圧も解消されます。
しかし、長く昼寝をしすぎてアデノシンの量が大きく減少すると、夜の寝る時間になっても脳内のアデノシンの量が少なく、睡眠圧がやってきません。
その結果、眠くならないのでいつもより夜更かしをしてしまい、翌日に眠気が残ってしまうという残念なことになりかねないのです。
一般的には午後2時ごろまでに昼寝を取っていれば、その後の活動の中で適切な量のアデノシンが分泌され、夜もスムーズに眠気がやってくるようになるでしょう。
午後のパフォーマンスをあげるちょっとしたコツ
昼寝を効果的にする条件は「午後2時ごろまでに20分以内で」というのがここまでのお話しでお分かりいただけたのではないでしょうか。
この章ではさらに昼寝の質を向上し、午後のパフォーマンスを最大化させるためのコツを紹介していきます。
あえてベッドでは眠らない
リモートワークの普及が進み、仕事時間の多くを会社ではなく自宅で過ごす人が増えた中で、昼寝をベッドで考える人が多いでしょう。
意外に思われるかもしれませんが、昼寝をベッドでするのはおすすめしません。
その理由は、昼寝によって「ベッドはゆっくり長く眠るところ」というイメージを脳が持てなくなるからです。
昼寝はあくまでも一時的に眠気を解消させる方法であり、睡眠は本来夜に適切な時間と十分な質を確保して行うものです。
そして、夜の睡眠の質を上げるための要素のひとつに、あなたの脳が「ベッドはゆっくり長く眠れるところ」と感じていることが挙げられます。
ベッドが安心してゆっくりできるところだと認識されていれば、脳は余計な雑音を排除してスムーズに眠りに入る体制を整えてくれます。
しかし、ベッドでの昼寝が習慣化されてしまうと、夜の睡眠時にも「もしかすると短い時間でも起きなくてはいけない?」と脳が思ってしまい、熟睡できにくくなるのです。
そのため、可能であるなら昼寝はベッド以外の場所でとるのをおすすめします。
昼寝のときは横にならなくても大丈夫
ベッドでの昼寝は避けるべきと言いましたが、ではどこでどんな風に昼寝するのがよいのでしょうか。
その答えとして、首が固定されていてリラックスできる場所であればどこでも問題はありません。
たとえば、机の上にうつぶせになったり、椅子によりかかったり、ソファーにもたれかかったりと、あなたが心地よいと感じるところを選んでOKです。
大切なのは首や身体がしっかりと脱力できる体勢が取れていることです。
そのためにクッションや昼寝用枕などを活用してみるのもいいでしょう。
また、イスに寄りかかって寝る場合は、リクライニングチェアであれば余計な力が入らずにリラックスした状態で休めるのでオススメです。
直前のカフェインで目覚めをスッキリに
昼寝の目覚めをよりスッキリさせたいのであれば、眠る前にカフェインを摂取しましょう。
みなさんご存じの通りカフェインには覚醒作用があり、摂取後の20〜30分でその効果が現れ始めます。
つまり、昼寝の直前にコーヒーなどカフェインを多く含んでいる飲み物を飲んでおけば、目覚めたときにちょうどカフェインが作用し始めてスッキリとした状態で午後の作業をスタートできるのです。
眠れないときは目を閉じるだけでも効果的
眠気がそれほど強くないときには無理に眠ろうとはせずに、目をつぶって気持ちを落ち着けるだけでも疲労軽減にはつながります。
人は日々大量の情報を目から取り入れ、脳で処理をしているため、目と脳は日常生活の中で常にストレスにさらされています。
やさしく目を閉じて目から入ってくる情報を一時的に遮断してあげるだけでも、脳は休息を取れているなと感じてくれるのです。
「寝るほど疲れてはいないけど…」というときでも、目を閉じて15分ほど休息をとると、午後の疲れの溜まり具合に違いがあるはずです。
あくまでも昼寝は「仮眠(仮の眠り)」であることを忘れない
ここまで昼寝の重要性とその方法についてお話ししてきました。
昼寝を上手に活用できれば、午後の眠気がいなくなりパフォーマンスを高められるはずです。
しかし、そもそも昼寝は応急処置として体や脳を休める方法にすぎないことは改めて認識しておきましょう。
毎日昼寝をしているからといって夜の睡眠時間を削ってしまうのは本末転倒です。
まずはしっかりと夜の睡眠の時間と質を確保することを最優先に考え、昼寝はあくまでもそれを補うものだと捉えておきましょう。
睡眠についての正しい知識を身につけて質の高い睡眠を手に入れ、日々のパフォーマンスを最大限まで高めていきましょう。
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